IMハワイレース報告
アイアンマンハワイのレースを11時間2分で終えました。各種目のスプリットタイムは以下の通りです。
スイム 1:21:59 (フィニッシュ時1,436位)
バイク 5:46:53(フィニッシュ時1,195位)
ラン 3:41:10(フィニッシュ時1,005位)
トータル 11:02:01
総合1,005位 (エイジ114位)
スイムは、ウエット無しでの初のアイアンマンディスタンスのスイム。スイムが苦手な自分としてはどれぐらいのタイムでスイムフィニッシュ出来るのか未知数であり、不安でした。ただし泳いでみると、海水で身体が浮くためと、大会数日前に購入したXTERRAのスピードスーツに効果があるのか、思ったよりスムーズに泳ぐことが出来ました。プールではよくキックが邪魔をしていると言われますが、あまりキックをせずとも身体が浮くので、ウェットスーツを着ているのと同じ感覚で泳げており、これはひょっとしたらいいタイムでフィニッシュ出来るのでは、期待しながら泳ぎました。しかし、泳ぎ終えて時計を見ると、タイムは1時間21分。いつものウエットを着てのスイムよりは、約10分遅いので少しがっかり。
トランジションエリアには、予想通り残っているバイクな少なかったです。そんななかスイムでの遅れを取り戻そうと、かなりいいペースでバイクを飛ばし、前にいる選手をひたすら抜かしました。しかしいくら抜けども、目にするのは、おばさんか、おねーちゃんか、おじいちゃん系の選手のみ。なかなか自分のエイジグループの人間には追い付きませんでした。そうこうしているうちに、80~90K地点でハビィ地区に突入。それまでも風は吹いていたのですが、このハビィ地区を左折してからの強烈な横風には、驚き、恐怖さえ感じました。バイクが流されないようにバランスをとるのに精いっぱいで、こわごわとしながらバイクをこいでいました。また、コース自体、急坂はないものの、向かい風となだらかな坂の連続には、思ったより足を疲弊させられました。当初のバイクフィニッシュは5時間30分を予定しており、最初の90Kはほぼ2時間40分でいいペース。これは目標タイムでフィニッシュ出来るかなと期待していましたが、後半の坂、向かい風を克服するには力が足りず、徐々にスピードが落ち、結局5時間46分でバイクフィニッシュ。
スイム、バイクの遅れを取り戻そうと、ランはハイペースで走り始めました。バイクを乗っている時も、予想よりフィニッシュが遅れそうなものは分かっていたものの、バイクで足を使い切るわけにはいかないので、幾分貯金を残すことを心がけてライドしていたので、それなりに走れる自信はありました。最初の5Kは20分40秒、10Kで41分台とハイピッチでしたが、心拍数は150以下であり、あまり無理をしている感覚はありませんでした。しかし、その頃より、腹部の不快感、膨張感、腹痛が開始。その後、下痢でトイレに何度もかけこむはめになり、とても走るのに集中出来なくなりました。またジェル等の甘いものを身体が受け付けなくなり、吐き気も覚えました。どうもあまり意識はしていなかったものの、やはり暑さの中で身体を酷使していたので、内臓機能が疲弊したのかもしれません。このような経験は他の選手からはよく聞いていましたが、今まで自分には全く無縁なものでした。そうしているうちに、走るのが苦しくなり、歩き始めました。今までアイアンマンのランで崩れたことは一度も無かったので、正直かなり悔しかったです。「これで今日のレースは終わった。何時間したらランをフィニッシュ出来るのかな。5時間以上かかるのかな」と半分諦めのモード。そんな悔しさを噛みしめながら、クィーンKハイウェイの下り坂をジョギングしては、歩くという展開に。どんどん周囲の人間には抜かされました。しかしながら12Mぐらいで4度目のトイレに駆け込んだ時、(汚くて恐縮ですが)すべてお腹のものを出しきったら、急に便意も収まり、再び走れるような気が出てきました。徐々にペースはキロ5分に戻り、ハーフを終えた時点で、時計を見ると2時間弱。「ここで踏ん張れば何とかランで4時間を切れるかもしれない。更には、ひょっとして3時間40分を切れば11時間以内でゴールできるかもしれない」と突如具体的な目標が出来ました。その目標設定をしてからは、足がどんどん動くようになりました。そして、いつもであれば、25K、30K過ぎからが苦しいのが、逆にペースが速くなり、キロ5分ペースが、4分30-40秒ペースまで上げられ、心拍数も150前後まで追い込むことが出来ました。あれほど序盤で苦しみ、諦めていたのが、嘘のようであり、いつのまにか苦しみが過去のものとなっていました。結果、残りのハーフは周囲のランナーをごぼう抜きにする中、ほぼ1時間40分で走り終え、3時間41分でランをフィニッシュしました。
レースを終えた時点での感想は、かなり辛かったなというものです。又自分としては、各種目で自分の思った通りのタイムでフィニッシュ出来なかったという点には、後悔の念もありました。ただし、今こうして冷静に振り返ってみると、レースを最後まで投げずに、ランでつぶれることなく、復活を遂げることが出来たこの経験というのは、今後のレースで生きてくる貴重なものだったかなとプラス評価しています。
最後に、このハワイの大会は初出場ですが、やはり他のアイアンマンレースとは違う、重み、達成感、やり甲斐があります。まだ今はリカバリーモードなので、あまり次のレースの事は考えたくないのですが、しばらく休憩をしたのちに、また来年の「Road to Kona」を考えていくのだと思います。
石田 力
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お疲れさまでした。
Triathlon “ MONO ” Journalist Nobutaka Otsuka