佐渡トライアスロンツアー(井上Report)

ボブ1井上です。

2004年に通りすがりのガレージ(環八国道1号店)で大塚さんに出会い、勢いでトライアスロンを初めてから6年を迎えました。競技を始めてから、チームYツアーで佐渡トライアスロン、皆勤。今年で6回目の参加をさせて頂きました。Aタイプは5回目。目標は自己ベスト。今年は今までで1番練習し、距離を踏んでレースに挑みました。レース2日前に佐渡入り。ゆっくり過ごし、海の幸を思う存分食べ、佐渡を満喫しました。定宿の「浦島」は食事がおいしく、女将さんが美しい!(乙姫のごとく!)

レース前日朝に、早起きして宿の前の海で試泳。先に泳いでいた方達に、クラゲが多数と聞き、クラゲよけをしっかり塗って、海に入りました。同行のパートナーはクラゲよけを塗っていても5箇所刺されましたが、私は無傷。しかし、30分ほど泳いで、陸にあがりかけ水深15センチ位のところを歩いていたとき事件が起こりました。まず、足裏に柔らかいひらべったい感触がむにゅっとし、それが羽ばたくように動きました。「な、何か踏んだ!」そしてその数歩のちに、まるで釘を踏んだような激痛が足裏に走ったのです。あまりの痛みに歩けず、這って岸に上がり、宿の前で唸っておりましたら、ありがたいことにチームメイトの看護師さんと歯医者さんが手持ちの薬で介抱してくれ、そして大塚さんが佐渡総合病院に連れて行ってくれました。2年前にもレース中溺水し両津病院に入院した私。佐渡の病院の診察券が増えていきます・・・。レントゲンを撮り、足の皮膚内に異物がないことを確認してもらいました。「明日のレースに出たいのですが」とパートナーが医師に話すと、むちゃくちゃ怒られました。「無理矢理出て化膿してまた来たって知りませんからねっ!」す、すいません・・・。痛み止めが効き、歩かなければ痛くなくなりました。

いろいろ調べたところ、状況からして浅瀬にいたエイのたぐいを踏んで尾びれの毒棘に刺されたのではないかと推察されました。毒の代謝には24時間から48時間かかるとあります。レース前日エイに刺される。思いも寄らないアクシデント。刺されたもんは仕方ないので、走れなければ応援団に急遽入部し、全力応援しようと決め心を鎮めました。

昼食の焼き肉も、夕日バックの撮影会も、豪華夕食もきちんと堪能し、みんなのレース前の一言抱負に笑い、感動し、レース準備万端して就寝。

起床。痛み軽減も、足着くと痛みがあり、ランは絶望的と思われました。

ボブ2

DNSを口にすると、皆ほほえんで「行けるところまで行ってみたら?」と励ましてくれます。その気になり、スイムスタート。中盤、顔をクラゲに刺され恐怖しましたが、プルの合間にこすり洗いして事なきを得ました。今回の教訓。海の生物に刺されたら、真水ではなく海水で毒棘を洗い流すこと!冷やさず、温めること!勉強不足でした!!何度か他選手に足をつつかれ、痛みに縮み上がりつつスイムアップ。

ボブ3

バイクスタート地点で応援部隊が声援をくれます。励まされ、ランが駄目そうなら、バイクだけでもベストタイムで行こう!とほぼ全力で走りましたが、110㌔地点で足の痛みが耐え難くなりました。硬いバイクシューズでのペダリング繰り返しで足先が圧迫され、鬱血した模様。拍動性の痛みで靴を履いていられず、シューズを脱ぎ除圧。シューズを踏んで走りました。なかなか難しく、スピードも気力も低下。CHIE嬢がハイスピードでパスしていきました。あっという間に視界から消える彼女を見送り、もーだめだとリタイアを決意。160㌔地点の応援団のところまでなんとか行って、みんなと合流しようとじわじわしょんぼりと自転車をすすめました。到着した小木の坂は難所です。普段でも登りの遅い私、まさにカタツムリのごとく時速6キロで進みます。長い坂道、応援団はどこにいるのー!半泣きで漕いでいるところ、後ろから「喝!!」の大音声。増川さんが超軽快、私の三倍速位で登ってきます。ひえー。「バイクフィニッシュまで頑張れ!」と朗々と励まされ、返事もできず涙目で訴えようとするも、その暇もなく、増川さんは瞬速で消えていきました。

ボブ4

まもなく!ようやく応援団が見えました。かとちんが笑顔で駆け寄ってくれます。申し訳なく思いながらも、「もう無理!ここで終わりにします・・・」と告げました。確かに聞こえた筈なのに、しかし誰も返事してくれません。返事の代わりに座り込んだ私に氷水をくれ、冷やしてくれ、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれます。大塚さんが時計を見て、「もう三分たったぞ。いつまで居るんだ?」リタイア、不受理です。愕然としつつ、足を触ると痺れも痛みも嘘のように消えていました。2時間のシューズ脱ぎ漕ぎが、効いたのでしょうか。そうなれば頑張るのみ。靴もきちんと履いて、出発しました。充填いただいた気力のお陰で、バイクは7:35でフィニッシュ。一度あきらめただけに、遅いタイムよりたどり着いた喜びが大きく感じられてしまいました。

ランは無理かと思いましたが、トランジット同時の女子選手(初対面)に「行けるところまで行きましょう」と励まされた上、昔CHIE嬢が呼吸苦でぶっ倒れつつも救急車を追い返して前進を続けたこと(一般人は真似してはいけません。)を思い出してしまい、まだ倒れてもないのにあきらめるわけにはいかないと、おニューのニュートンを履いて出発しました。ニュートンは前足部で着地するシューズで、そこに傷があるので余計痛いのではと危惧していましたが、クッションが良いのか、アドレナリンが出ているのか、バイクの時より痛みがありません。とりあえずCHIE嬢を目指し、無心に走りました。

ボブ5

一時間ほどで見つけた彼女は、まっすぐ歩けず、蛇行して、表情もうつろ、声を掛けてもかすかに反応するのみのひどい有様(熱中症?)でしたが、やっぱり前進し続けていました。眼力で先に行けと指令され、心配しつつ、祈るような気持ちで先行。何か考えると迷うし辛いので、終始無心を貫き、とにかくひたすら応援の人にお礼を言い続けて走りました。

ボブ6

これはチームの先輩から習った事。辛いときには、応援の人にお礼を言うと元気をもらえるんだよと。ほんとです!でも特に元気をもらえたのは、やっぱり三回通る神社の前で応援している我らが応援団。大塚さん、かとちん、種ちゃん、SUDO選手、ほんとに元気をありがとう。そしてYジャージのメンバーとすれ違うたびに気力が沸きました。みんなありがとう!途中でエイドステーションのブルーシートにぶったおれ長期滞在中のパートナーを発見。喝を入れて回収。また、歩いていた田中さんを発見。同じく増川さんから頂いた「喝」のおすそ分け。(笑)

ボブ7

ランパートはコーラと温茶のみで、へたることなく走りきれました。奇跡?の自己ベスト4:15、R順位60位(柏木さんは4:10で50位!)正直、あんまり暑さは感じませんでした。まさに怪我の功名ですね。DNFしたい弱い心をみんなに助けられ、ゴールでき、ほんとに全ての人に感謝しています。一人で走っているんじゃないなと、実感しました。また来年もよろしくお願いします!

大塚さん、来年も来てくださいね!!

峯野さん(クラゲに刺されDNF)来年、勝負です!

ボブ8

佐渡の花火が私の1年の終わりです。

ということで、今、正月休みですが、また練習、頑張ります。

以上。

 

井上さん、お疲れ様でした。気合の走りでしたね。

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka