【メンバーReport】 アイアンマン・フランス ~橋山選手~

トライアスリートなら憧れるアイアンマン、初出場の地に選んだのはフランス、ニースです。

スイムは穏やかな地中海で心配していなかったものの、バイクはツールドフランスで使うような山岳コースと聞いていたので、峠道をメインに練習してきました。また、ランは、昨年夏に故障して以来、まともに走り始められたのが、春になってからだったので若干不安を抱えてのニース入りとなりました。早速海岸エリアのエキスポ内へ選手登録に行きましたが、想像を超える美しいコバルトブルーの海に気持ちは高まります。翌朝は早速レース開始時刻に合わせて試泳。ビーチは砂浜ではないことと、水も透明度はそこまでではないのが意外でしたが、すぐそこまで迫っている山からの雪解け水と海水が幾層にもなっており、気持ちよい温度。

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それからコースマップと勘を頼りに、バイク試走へ。

コースは、最初海岸線に沿って川に当たったら川沿いに上流に向かっていく平坦な道を20k程行きます。そこからいよいよ山側へ入っていきますが、その入り口にいきなり10%以上の坂が待ち構えており、ここで洗礼を受けます。その後も登り続けますが、山間ではなく山肌に沿ってジグザグ上るのであっという間に河口のニース海岸が見下ろせとても気持ちいいです。道沿いの家には低いレンガや石垣に色とりどりの花が映えます。日本で言えば新緑といった美しい山上にも円形に作られた街があり時計台があるなどステキ過ぎです・・・

さて、当日朝ですが、踊っている人もあり、スイム前のお祭り騒ぎといってもいい位のノリは、外国ならでは!初めてのコース、8の字に2周回なのでブイのルートがよくわからなかったのですが時間でスタート。今まで出た日本の大会はたぶん1割位は女子の比率があると思いますが95%位が男性、しかも外人は大きい!平泳ぎの人もいたので蹴られないように手でガードしつつ、方向は人に合わせて泳ぎ出しましたが、今までやってきた朝スイムの練習を考えたらスッと冷静になれ、マイペースでいけたと思います。

1周目は2.4k。手元で48分だったのでまずまずなペースと一安心。波打ち際は小石でしかもいきなり段差が深くなり、出入りは苦労するので引き上げてくれるボランティアがいますが、足りないので選手同士で支えあったり、手助けしながら2周目に入ります。こんな光景も文化的に自然なお国でした。結局スイムアップは1時間18分でしたが今までよりはるかに楽に泳ぎ切れたのはよかったです。

トランジションは勝手もわからずかかりすぎてしまいました。バイクはラックにほぼ残っていません・・・

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焦りますが、試走箇所までに落ち着こうと、補給や脚の調子をみながら入ります。50k地点から20kで約900mの登るのが最大のピークですが、もう少しだよ頑張れ!とか言われながら、皆にガンガン抜かれていきます。その後はアップダウンが続きますが、何故か外人は少しでも下り基調になると脚を止めて休んでしまう人が多く、下りで抜き返してまた登りで抜かれるといった繰り返しです。絶景の中、街を通ると「アレ!アレ!Jun!」とリアルな歓声に、自転車レースの選手の気分が味わえ感激。

IMG_0951.jpgIMG_0973.jpgバイクフィニッシュ時には足は売り切れていましたが、いつもスピニングで追い込んだ後ランしており、最初は辛くても走れることはわかっていたので前太腿の張りをこらえてランへ。

案の定2k位で足が動いてきたので、後はランだけ、この日の為に頑張って来たことを思い出し、全力で行くことを再度言い聞かせます。でも練習は正直ですね。折り返し毎にラップは落ちていきます。ランは海岸リゾートの一番観光客が多い所を4周回するので盛り上がります。ボランティアや観客にもたまに日本人がいて、思いがけない日本語での応援も嬉しかったです。ただ足は徐々に言う事を効かなくなり、お腹も差し込んできてきました。バイク中アップダウンの中、なかなか給水がおろそかになった事がいけなかったと思います。最後の5kなど本当に棒になったようでどうにもなりませんでした。

今までのレースはランのゴール前でペースアップ出来たりして、追い込みきれていなかったかと反省していたのですが今回は本当にもう出来ないというところまで出し切れたので、こういうレース展開を経験できた事は大きな財産と思います。

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タイムは満足のいくものではなかったですが、これが今の実力ですね。課題ははっきりしているので、少し休んでまた頑張りたいと思います。ともあれ無事アイアンマンデビューがこの美しいニースでかなえられて、幸せ者です。一緒に練習したりアドバイスしてくれた仲間やコーチ、気持ちよく送り出してくれた家族や職場の皆に深く感謝します。タイムを狙う方には多少危険が伴いますし、レベルも高いですが、最高のロケーションで特にバイク好きにはオススメです!

 

橋山さん、お疲れさまでした。

You are an IRONMAN.

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Triathlon “ MONO ” Journalist     Nobutaka Otsuka